店主のこだわり

ベーレンプラッテのこだわり

「ドイツ・イギリスをはじめとする、ヨーロッパ諸国で製作されたLPには、ほかでは体験できない音色美が刻まれている」
と思うのは、我々スタッフだけでしょうか? CDの出現から約40年あまり、CDは私たちのオーディオライフになくてはならないものになりました。

LP時代には、決して聴くことができなかった、アーティストの録音が簡単に入手できたり、録音後1ヶ月もしないうちにそれが、私たちの家で楽しめるのは大 きな楽しみです。しかし、それと同時に、失ったものものの少なからずあると私たちは思います。例えば、「音色の個性」です。もちろん、CDでも各レーベル により、今でも、各レーベル特有のトーン・キャラクターは感じることはできますが、LP時代にはその差がもっと大きかったような気がします。 アナログテクニックには、各レーベルやエンジニアたち個別のノウハウが反映されやすかったのです。

デジタル技術は、誰でも簡単に上質の録音ができますが、アナログ録音ではそうはいきません。
エンジニアたちの苦労がそのまま音の違いに生かされます。それは、録音のみならず、カッティングやブレスの技術までみんな音質の違いに直接つながってきま す。マニアたちは、こう言います。
「決して同じ音のLPは2枚存在しない!」
プレス国や時期はもちろんのこと、同じラッカー盤やスタンパーを使っても、プ レスの時期で音質が変わってくるというのです。これには、私も覚えがあります。私は、ここでLPとCDの音質の優劣を語るつもりはありません。しかしなが ら、少なくとも私にとって、LPレコード音楽の方が、趣味としてのオーディオの楽しみが多いような気がします。

それは、LPレコードがほとんど製造されていない現在でも、頻繁にLPプレーヤーをはじめとするアナログオーディオ機器が発売されたり、アナログオーディ オのための雑誌が数多く出されていることでも私と同じ考えの人が多いということの証明ではないでしょうか?(これは、日本だけの特異な現象ではありませ ん)

私たち、べーレンプラッテは2002年秋オープンしました。それまでの約30年間、私は一コレクターとして、ほとんど毎日といってもいいほどLPにかか わってきました。そして、今日までの毎日が、発見と驚きの毎日です。 ベーレンプラッテをはじめるにあたり、私は以下のようなこだわりを持つことにいたしました。

「とりあつかうLPはすべて、店主または、スタッフが、直接ヨーロッパなどから買い付けたり、 取り寄せたものだけを取り扱うこと」

今でも、このポリシーは生きております。原則として国内で入手したLPや日本プレスのLPは、お取り扱いをしておりません。今まで長々とわたしの考えを書いてきまし たが、今後もこのポリシーは変えるつもりはありません。今後とも、このこだわりを持ち続けながらも、お客様のご意見をいただきながら、この仕事ができれ ば、この上ない幸せです。皆様のご意見をお待ちしております。
(店主)