LPケア法

 ・はじめに

オーディオシステムの音質向上を毎日のようにお考えのあなたに提案です。
システムのグレードアップ案の一つに「レコードクリーング」もご検討ください。
それくらいアナログオーディオにはレコードのケアは重要なものなのだと私は確信しています。

そこで、ここではレコードクリーニングングやケア法について、私なりにまとめまた私が実際に使用しているケア用のアイテムを紹介していきたい。

クリーニング法あれこれ

1:何もしない

文字通り、「何もしない」こと。

購入したままの状態で,レコードを聴き続けることである。
静電気で盤面にごみが付着すればノイズの原因となるし、大きなごみが盤面にはりついて取れなくなると「針飛び」などの原因になる。
もちろんこれをお読みの方は、「何もしない」でいるとは思えないが、クリーニング法を誤ったりすると、レコードをダメにしてしまう場合があるので、もしかしたら、「何もしない方がまし」ということもある。

2:市販の(普通の)クリーナーをつかう

レコードに接する部分が,柔らかいベルベットやブラシなどでできているレコードクリーナーでLPの表面を撫でる方法。
これは大昔からあって、いちばんポピュラーな方法である。
これで、やさしくさっとレコードをふけば、目に見えるダストは取れる。
しかし、目に見える大きな塵は、それほど再生音には影響しないと考えられる。それどころかレコードをなですぎると、静電気が起きてしまい、塵をさらに集めてしまうこともある。
だから、ほどほどに行うことが大切だ。(最近は序電効果のあるブラシも現れた)
昔から静電気防止用のスプレーなどがあったが、これもそれほど効かない。
それどころか、それを使いすぎて音質の劣化、という悲しい結果を招いくこともある。

その3:レコードパック法

白い酢酸ビニール系の接着剤(いわゆる木工ボンド)をレコードに厚く塗り(レーベルの部分は避ける)それが完全に乾燥してから、「美顔パック」よろしく、ばりっとはがして盤面にへばりついた汚れやごみを取る,という方法だ。
これも古くからあって、以前はこのレコードパック専用の薬品(接着剤?)まで出ていたこともある。
オールドファンなら、一度や二度は試したことがあるかもしれない。

しかしながら、私の経験からすると,期待したほどレコードクリーニング効果は得られない。それどころか、パック剤の乾燥が不十分だと、レコード面にそれが残って取れなくなってしまい、大事な一枚を台無しにしたこともある。 

その4:レコード雑巾がけ法

昔から,多くのレコードショップのスタッフが採用していた方法である。

使い古したタオルなどをよく水(できればぬるま湯)ですすぎ、力いっぱい絞る。
それでレコードを「雑巾がけ」の要領で力いっぱいごしごしと拭くのだ。
この時に注意してほしいのは、レコードの溝にそってタオルを動かすこと。
フローリングの床を拭くのと同じ要領で、溝の奥にタオルの繊維が入り込んで汚れをとるのをイメージして作業してほしい。
ちょっと荒っぽく感じられるが,レコードは結構丈夫なので,盤面についた汚れはかなりとれ、不思議なことに再生音もよりクリアーになってくる。
コストパフォーマンス抜群であるが、慣れないうちは盤に不用意に傷をつけないように十分な注意が必要である。

その5:クリーニング液をつかう

レコードショップにいくと、必ずレコードケア用品のコーナーがあり、そこに何種類かのクリーニング専用の液やスプレーが売られている。店によってはそのショップのオリジナルのクリーニング液が置いてある。
それを、LPの表面に吹きつけたり、数滴たらしたりしたあと、柔らかい布や、専用の(付属の)柔らかい紙などでふき取る方法だ。

確かに、効果は絶大で、表面についた汚れや細かいが見事にとれる。
また、古いレコードに生えてしまったカビも取れ、ノイズも見違えるように少なくなる。
一番お勧めしたい方法ではあるが、ちょっと気になることもある。

それは、クリーニング液のこと。

クリーニング前後でレコードを聴きくらべると、どの液を使っても、(程度の大小はあるが)再生音が変化して聴こえることがわかる。
たぶん、表面に残留した洗浄液の成分が再生音に何らかの影響を及ぼしているのであろう。
私も、市販されているほんどのものを試してみたが、音質の変化は、様々であった。
もしかしたら、この辺りが、アナログオーディオの醍醐味なのかもしれない。

さて、私の推薦する洗浄液はこちら。

OYAGレコードクリーニング液

超ベテランのオーディオファイルで私の長年の友人である、南野氏が長い年月をかけた研究の結果たどり着いたレコードクリーニング液である。
使い方はじつに簡単で、レコードにOYAG33を滴下し、
OYAGクロス(別売り)で拭き取るだけでレコードの汚れと静電気を取り、新品のような艶がよみがえらすことができる。
しかも一度クリーニングしたレコードは、静電気の発生が抑えられるので、汚れがつきにくくなるのが特色だ。

また、OYAGはほかの多くの製品とはちがい一液完結タイプなので、簡単で手間がかからない。
クリーニング後のレコードはノイズが軽減され、ノイズを気にすることなく音楽に集中できるようになる。
そして再生された音はのびのびと今まで聴こえなかった音まで聴こえるようになり、まるでカートリッジのグレードをワンランクかツーランク上げたような印象をうけてしまう。

実は、私はこのようなレコードクリーニング液をこの30年近くの間数多く試してきた。
その中でも、クリーニング前後の音色の変化は最小で、クリーニング能力は最高と断言できる。
洗浄後は若干音色が明るくなるが、ノイズの低減効果は抜群だ!
まずは、騙されたと思って使ってほしい。
レコードクリーニングが単なる「埃取り」でないことにきっと気付くはずだ。

私も国内ではもちろんのこと、海外買い付けの時にも必ず携帯することにしている。海外のショップなどで使っていると、「これはどこで手に入る?」とよく聞かれるほどだ。

クリーニングされたLP クリーニングされたLP
クリーニングされたLP クリーニングされたLP

OYAG 製品はこちら>

 その6:クリーニングマシンを使う

前から、プロ用(放送局など向け)にはクリーニングマシンは使われてきた。レコードを回転させながら、クリーニング液とブラシを使って塵や汚れをかきだし、それを掃除機の要領でバキュームするタイプだ。
これは、究極の方法といっても良い。これで、表面についた汚れや塵はまず完璧にとれて、また、音質も著しくクリアーになる。
不思議なことであるが、新品のLPを洗っても、クリーニング前後で聴き比べると、明らかに音質が向上する。
まさに、「決定版」である。

実は数年前までは、すべての方にはお勧めするには、ちょっと躊躇してきた経緯がある。そのポイントは「騒音」と「価格」であった。

 それも最近では折り合いがついてきた。

 一つ目の「騒音」に関して。

 クリーニング液を吸引するときに、一般家庭で使用されている掃除機と同等の騒音が出る。これは、ちょっと厄介であったが、数年前に復活した老舗のキース・モンクス社(KM)のマシンの動作音は実に静かで、夜の使用でもまずはご家族からものクレームは出にくいと思う。

吸引にかかる時間は後述するフォースマイル社(FS)比べちょっと長めだ。(片面2分半から3分。機種によって違う。)また洗浄後は、ノイズ低減効果と相まって、再生音にしなやかさがぐっと増してきたように感じる。(あくまで個人的感想であるが)

クリーニングされたLP クリーニングされたLP
クリーニングされたLP クリーニングされたLP

 キース・モンクス社 製品はこちら>

二つ目の価格であるが、以前は数十万円がマシンの相場であったが、最近では十万円台ものも多くなってきた。当店では、フォースマイル社(FS)のクリーンメイトNEO(税込み15万円)をお勧めしている。(当店では、前述のKMとクリーンメイトNEOを常備して毎日使用している。)

FS社のマシンでは、吸引はあっという間に終わる。(30秒程度)が、吸引時のノイズはちょっと大き目になってしまう。ちょうど家庭用の掃除機を作動した時と同じような音だ。洗ったあとは音がパッと明るくなり、とてもさわやかな印象を受ける。

クリーニングされたLP クリーニングされたLP
クリーニングされたLP
クリーニングされたLP


フォースマイル社 製品はこちら>

ご購入を検討されるときには、これらの特徴を十分吟味していただきたい。
店主はすでに両機でおびただしい数のレコ―ド洗浄しているので、これらの特徴を把握しているつもりだ。
もし、ご質問があればお気軽にお問い合わせください。

当店でこれらのマシンをお求めの方々からは、

「これからは、クリーニングマシンのないオーディオライフは考えられません!」

と言っていただくほど、効果は絶大なのである。

 

大切なLPの保管のために

グラシン紙オリジナル内袋

これは、原則的に当店でのみ販売しているオリジナル商品である。

レコード用の内袋としては、昔からポリエチレン製が幅広く使われてきた。もちろん、これもレコード保護の立場では非常に有効であるが、これでは、レコードを完璧には守ることが出来ない。

ビニ焼けという結構難しい問題にぶつかってしまう。

「ビニ焼け」とは?

レコードをジャケットの内袋から引き出すと、盤の表面に半透明(白色)のマダラ模様ができていて、針を落とすと「ボソボソ」というノイズが出る! 
これが「ビニ焼け」(ビニール焼け)という現象で、こうなってしまったレコードは、いくらクリーニングしても絶対に元には戻らない。
いったい、何が起きたのか?

クリーニングされたLP

 この原理はいたって簡単で、ポリ袋の成分とレコード面の化学反応のため起こってしまう。
これを防ぐには、年に一度程度レコードを内袋から出して空気に触れさせることである程度は防ぐことができる。がレコードを多数お持ちの方であればお分かりと思うが、コレクションのすべてをすくなくとも年一回以上ジャケットや内袋から出すことはほぼ不可能である。

ではどうするか?
内袋を新品のものと交換すれば良い!

 理想的な内袋としては、グラシン紙を使った内袋をお勧めだ。グラシン紙は、トレーシングペーパー、ケーキの底紙、薬包紙、書籍のカバー、タバコの内包装などに使用されている高級紙で、表面が滑らかで光沢があり、静電気が発生しにくく、高い防湿性・防カビ性を備えている。こうした特長から、レコードの内袋にはグラシン紙が最適である、といっても過言ではない。しかしながら、ポリエチレン比べ高価であることがウィークポイントである。そこで私は、この袋の製造工程(手作業が多い)を見直し徹底的に簡略化して販売を始めた。これがこの内袋である。おかげさまでこの内袋はオーディオファイルの方々からご好評をいただき、すでにのべの販売枚数は10万枚近くになった。

クリーニングされたLP クリーニングされたLP
クリーニングされたLP

グラシン内袋 製品はこちら>